M.P.ホールの「批判的協力関係論」が税と寄付の関係を考える上で重要である。それまでの歴史は、民営社会福祉事業万能論 Josephine Shaw Lowell 1883、平行棒理論(Parallel Bars theory) Benjamin Kirkman Gray、繰出梯子理論(Extention Ladder theory) Sidney Webb 1914、多数=公営・少数=民営論(Majority-public,Minority-private)Linton B, Swift 1934、公営社会福祉万能論 Helen Clark 1947を経て、その後に、批判的協力関係論がM,Penelope Hall 1952によって提起されている。
岡村重夫によれば、「繰出梯子」や「多数=公営・小数=民営」理論までの公私関係論は、公私それぞれの独立した活動領域を見出そうとすることに専心し、却って両者共通の性格を見落しており、共有するものと共有しないものを互いに認識し合うことが必要であるとし「批判的協力関係論」を支持している。(渡邉)
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