1950~1960年代に、デンマークのミケルセン(Bank Mikkelsen, N.E)やスウェーデンのニィリエ(Nirje, B.)になどを中心に展開された思想である。具体的には、知的障害者の親による入所施設改善運動が端緒となり、障害があっても可能な限り地域で普通の生活が保障されるべきであると提唱された。これは障害者の地域生活の権利を保障する考え方であり、平等及び機会の均等をも意味している。特に、ウォレンスベルガーは、より思想の具体的実践へと活動を進めたことで知られている。また、国連の「障害者の権利に関する宣言」(1975年)では、ノーマライゼーションの思想がその底流をなし、「完全参加と平等」をテーマとした国際障害者年(1981年)においてもその考え方は反映された。さらに、世界各国における障害者自立生活運動(米国のエドワード・ロバーツによる運動等)に大きな影響を与えており障害者福祉領域のみならず、社会福祉の基本理念かつ実践的思想としてもとらえられている。(渡邉)
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